荻野剛生のフィンランド生活記

娘、娘婿、孫2人とのフィンランド生活

フィンランドの暑い夏とオリンピック

今年のフィンランドはとにかく暑いです。6-7月の平均気温は観測史上最高でした。職場や近所のフィンランド人は、皆、「暑い暑い」と言っています。テレビでは、キャスターが毎日のように「今日はとても暑くなります」と言っています。

それでも、日本のように30度を超えることはまずありません。正直、私達日本人にはそれほど暑いことはなく、快適そのものです。その分、冬が長く厳しいので、これくらいが丁度良いのです。

フィンランドでもオリンピックは盛り上がりを見せています。最近は、現役時代からセカンドキャリアを見据えた準備をするスポーツ選手が増えてきているようです。

孫はセーリングのTuuli Petäjä-Sirén選手が好きで、テレビに齧りつくように応援していました。

荻野剛生のおすすめ本

皆様いかがお過ごしでしょうか?

フィンランドの感染状況は落ち着いてきています。5月14日から学校が再開され、孫達は嬉しそうに毎日出かけていきます。6月からは飲食店も再開し、50人までのイベント開催も許可されます。

私は自宅で本を読んだり、クラシックを聞いて日々を過ごしています。今回は、私がフィンランド生活に慣れるまでに役立った本やお気に入りの音楽関係の本をご紹介します。

 

フィンランド生活にあたり、まず手にとったのは地球の歩き方です。 旅行ガイドブックですが生活する上でも役に立ちます。特に地図と外食ガイドには助けられました。

 

 

フィンランド豊かさのメソッド (集英社新書 (0453))
 

教育、仕事、税金、介護などフィンランドの社会全般について著者のフィンランドでの実生活を元に記されています。文章のテンポがいいのでとても読みやすかったです。フィンランドで生活するにあたり、フィンランドの社会の仕組みを知っておくことはとても役に立ちました。

 

 

旅の指さし会話帳35 フィンランド

旅の指さし会話帳35 フィンランド

 

正直、この本はあまり必要ありませんでした。フィンランドは英語が通じるのでフィンランド語ができなくても生活できます。特に、ヘルシンキは英語が話せる人が多いです。若い世代は間違いなく英語が話せます。駅やレストランで英語が通じないことはまずありません。ただし、看板やスーパーの表示はほとんどフィンランド語とスウェーデン語だけです。これには困りました。今はGoogleレンズの翻訳機能が使えるので助かっています。

 

 

 フィンランドと言えばやはりサウナ文化です。電気、薪、スモークと3種類のサウナが紹介されています。単なる旅行情報本ではなく、著者が自らフィンランドを旅する中で経験し、感じたフィンランドの魅力が詰まっています。

 

 

 サウナ文化についてより深く知りたい人はこちらの本をご一読ください。銭湯と同じような栄枯盛衰をたどった公衆サウナの歴史が詳しく紹介されています。サウナ好きにはたまらない一冊です。

フィンランドのコロナと給食

フィンランドでもコロナウィルスが流行しています。

我が家も皆、基本的に自宅で過ごしています。

孫娘達の学校も休みです。当初は、学校での給食だけは続けられており、孫娘達もランチになると学校に行っていました。

一度に1つの教室に入るのは10人くらいまでで、座席の距離を空け、教師が見守る中で給食を食べていたそうです。

今は学校給食は休みになりましたが、昼食を買う余裕のない家庭の子どもたちのために地域ごとにランチバック(お弁当)が配布されています。

給食は子供の命に関わるセーフティーネットとしての役割があるという考えに基づいています。

いつまで続くかわかりませんが、早く収まることを願ってやみません。

MOMOTOKO

ヘルシンキは和食ブームで日本料理のお店がいくつかあります。

私のお気にりはヘルシンキ中央駅の近くにあるMOMOTOKOです。

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値段は15.5€です。日本円だと2,000円くらいです。

スープが熱々でコーンがたっぷり載っています。

フィンランドは日本に比べて物価が高めです。

レストランなどに行くと日本では一人2,000円~3,000円の内容で、こちらでは4,000円~5,000円はします。

ただ、高級レストランなどは日本よりもずっとリーズナブルです。また、日本の高級レストランでは難しい、前菜を頼まずにメインだけ注文したり、みんなでシェアしたりといったことも比較的自由にできます。

お祝いの日に家族で高級レストランに行くというのも、日本より一般的です。

このあたりは経済的な理由よ言うよりも、価値観の違いが反映されているように思われます。

サンナ・マリン

少し前の話題ですが、フィンランドの首相にサンナ・マリンが選ばれました。

34歳の女性です。フィンランドの歴史で最も若い女性の首相です。

生みの両親は彼女が幼い頃に離婚していて、彼女は母親と母親の女性パートナーに育てられました。

フィンランドには5つの政党がありますが、党首は全員女性です。このうち4人は35歳以下です。

日本からこちらに来たときは正直、かなり驚きましたが、この国ではこれが普通です。

フィンランドには首相の他にも大統領がいます。

大統領は国民の直接選挙、首相は大統領の指名で選ばれます。大臣は首相が指名します。

大統領が一番偉そうに見えますが、実際には外交のトップは大統領、内政のトップは首相という形になっています。

私はもう還暦を過ぎていますが、こちらに来てからは、若い人が国を引っ張っていくのはとても健全なことだと感じています。老い先短い老人の集まりよりも、先の長い若者のほうが未来を見据えた政治ができるのではないでしょうか。

ヘルシンキの交通機関はベビーカーにやさしい

フィンランドは子育てに優しい国です。

私の娘もフィンランドで2人の孫(娘にとっては2人の娘)を育てていますが、子育ての環境はとてもいいと思います。

一例として、ベビーカーでHLSの公共交通機関を利用する際、ベビーカーを押している人の料金は無料になります。(幼児はもともと無料です。)

HSLはヘルシンキの交通局でトラム、バス、メトロ、電車、フェリーを運行しています。

無料になっている理由は「料金を支払う際に、ベビーカーから手を離すと危ないから」です。

そのため、抱っこ紐で赤ちゃんを連れている場合は無料になりません。料金を払うときに危険がないためです。

また、バスでもトラムでもメトロでもベビカーや車椅子のための乗車スペースがあります。わざわざベビーカーを畳む必要はありません。

段差も小さく、安心して利用することができます。

ただし、ヘルシンキは歴史ある古い建物が多いため、こちらは少し大変です。

手押し扉のお店が多いです。ヘルシンキ市内にある百貨店でさえ、ほとんどのお店に重い手押し扉があります。寒い冬に備えるため、厚くて重い扉が多いのです。

段差も結構あります。

それでも、そういった場面ではすぐに回りの人が手を差し伸べて助けてくれます。

これはフィンランドの国民性でしょう。